選挙に参加する意義

id:kash06から返信があったのでさらに反応。
衆議院選挙に関して以下のような意見があった。

枕として選挙は欠かさず行ってるけど…と言っておいた上で。実は「どのような意見」も持ってなく、示すべき「意思」もない人が、きっと私だけでなく、何万人と何百万人といるのだろうと確信しております。

「選挙は欠かさず行ってるけど」の人にこんなことを言う必要はないのだろうが、それだと面白くないのであえてスルーして後ろの部分にだけ返信してみる。
おそらくその何百万人は「政治は自分の知らないところで勝手に行われているモノ」だとか「誰が何をしようが結局一緒」と言った感覚なのではないかと想像してみる。そんな仙人のような世俗には関心を示さない生き方もアリだとは思う。ただしその場合はたとえ消費税が20%に引き上げられようが、全国民が所得の5割を所得税として持って行かれれようが文句を言う権利は無いと思う*1*2。各議員が公約を掲げ、それを選ぶ手段が与えられているにもかかわらず無視している時点で「誰がどんな立法をしようがかまわない」ということになるのではないか。*3それが嫌なら票を投じて意思表示をすればいいのだ。それを「面倒」の一言で行わないのであれば「投票の手間>予測される不利益」ということなのでそれ以後は黙って法を遵守し税金を納めて一切政策に口を出さない。投票もしていないのに政治批判だけは行う、なんていうのはただのクレーマーだ。

でも、自分の投じる一票は確実に無意味であり、世の中を決して変える力など持っていないという確信があるから、恐る恐る投票できるんですけどね。

誰か一人、または特定の集団だけに政治を動かす力を与えないための制度なのだから、自分「だけ」の力で世の中が変わらないのが当然
それはさておき、「無意味」という言葉には一応反論しておきたい。「貴方の清き一票が明日の日本を変えます」なんていっても空しいのでもっと単純な話で。有権者が一億人以上いるのだから一つの決定に対して自分の意見は全体の約一億分の一しか力を持たない。しかし算数の理屈だと0以外をどのように割っても0にはならないので絶対に「無」にはなれない。それに自分が権利を有していることでそれなりのコスト*4が自分が収めた税金から使われているのだから利用しなくてはもったいないではないか。ま、ここは「投票の手間>かかったコスト」と感じる人が結構いそうだが。

ちなみに難しく考えるのが嫌なら小学生が学級委員を選ぶときのように
「自分ではやりたくない。候補が○○と××なら○○の方がマシ」
といった程度の考えで十分だと思う*5
もしくは「せっかくだから俺はこの赤い扉を選ぶぜ〜」の精神で。

あ、そういえばウチの客先の若い人たちは選挙の時は皆労働力としてかり出されるから自分では投票出来ないような人ばっかりだった。それはそれで。(フォロー)*6

*1:金銭がらみの例えばかりだが、一番わかりやすいので。

*2:公約では消費税率引き下げをうたったのに当選後は引き上げを主張した、などというのは全く別問題なのでココでは無視

*3:前にも書いたが「意見はあるけど自分が所属する選挙区の候補は全員その意見に反しているので白紙で投票」という行動とは全く異なる。

*4:はがきを印刷するのも投票所に職員を配置するのもすべてお金がかかるわけで。

*5:「マシ」の中に自分の意見が含まれているハズだから

*6:それなら平日に上司に無理矢理時間を作らせて不在者投票に行けよ、なんてみじんも思っていませんよ、えぇえぇ。