手順書を書くときは「どうやるのか」だけでなく「なぜやるのか」も書く

「一つの手順を多人数に展開する」だとか「作業の属人化を防ぐ」だとか「作業を標準化して抜け漏れを防ぐ」だとか、様々な理由で手順書やマニュアルを書くことは多い。自分もご多分に漏れずそういった類の書き物を書く機会は多い。今までは

  • 出来るだけ手数を減らす
  • 出来るだけ判断の余地を減らす
  • 必要であれば図示などによって迷う余地を減らす

など「できるだけ簡単に、少なく、迷わないように」を心がけてきた。今でもそれは間違っていないと思うし、今後ももっと改善していきたいと思う。

が、最近書き足すようになったのは「この手順では何をすることが目的なのか」とか「なぜこの手順が必要なのか」といったポイントである。手順を作るうえで「一見無駄に見えるが手続き上欠かせない工程」だとか「ソフトウェアの特定のバージョンの不具合を回避するためやむなく追加した手順」といったような、手順の製作者以外から見ると「なぜこれが必要なのかわからない」といったものが入り込むものがある。こういったものが製作者の手を離れて独り歩きを始めると、理由はわからないけどおまじないとして守られていく、だとか不要になっても無駄に続けられる、といったことが起こる。そのため、こういった手順に関しては「何を目的としているのか」といった補足情報を入れた方が後々メンテナンスしやすくなる。手順は追加するよりも削減する方が難しいため、「その手順はいつまで必要なのか」といった判断に使える材料は小さくでも残しておいた方がよいと思う。

また、手順全体としても「この手順はいつ、誰が、何のために行うのか」といった情報を付加しておいた方が実行時だけでなく、手順の見直しを図るときに手を付けやすくなる。前任者から手渡された、意図はわからないが実行を義務付けられた手順、みたいなものをひも解いて改善していくのは骨が折れるのでこういった情報は今後もどんどん付与していきたい。