期限切れのウイルス対策ソフトを捨てる勧め

(この記事はサードパーティウイルス対策ソフトウェアを否定するものではない。「期限切れの」ウイルス対策ソフトウェアの使用をやめるべき、という話である。)

よく自宅のWindows PCの不調を直してほしい、という相談を受ける。大抵はプリインストールされた不要なソフトウェアやダウンロードしたソフトウェアのインストーラが勝手に追加したCrapwareが大量にディスクを消費し、メモリやCPUリソースを無駄遣いしているのでこれらをアンインストールするだけでかなり快適になる。

この中でも特に多いのは「有効期限が切れたウイルス対策ソフトウェア」である。大抵のメーカー製PCに3ヶ月〜6ヶ月程度の期限付きでインストールされている。この期限が切れた時に追加料金を支払って更新されているのであれば問題ないが、これがまず更新されない。また、別のソフトのインストーラにオプションとして頼んでもいないウイルス対策ソフトウェアを更に追加されたりして、まともに更新されないウイルス対策ソフトウェアが複数常駐している、なんてPCにお目にかかることも珍しくない。

有効期限が切れてパターンファイルが更新されなくなったウイルス対策ソフトウェアなど役に立たないどころか害にしかならないので直ちに削除していただきたい。だがここで新たにウイルス対策ソフトウェアを購入しない人も多いので、ここではMicrosoft社がWindows Vista/7向けに無償公開している「Microsoft Security Essentials」をお勧めする。

Microsoft Security Essentials - Microsoft Windows

こちらは一度インストールしてしまえばOSのサポート期間内は更新手続きなど不要で自動的に更新され続けるので最低限のウイルス対策は維持されると思って良いだろう。他にも個人向けに無償で提供されているウイルス対策ソフトウェアはあるが、大抵は年一回の更新手続きなどが必要となってやはり更新が止まってしまう場合があるのでこういったものが出来ない人にはぜひSecurity Essentialsをお勧めしたい。また、こいつはOSを作っているMicrosoft社製だけあってあまり重たくないので古くなった非力なPCにも割とおすすめである。

なお、上記サイトで提供されているSecurity EssentialsはWindows 8.1には対応していないが、これにはちゃんと理由がある。Windows 8.1ではマルウェア対策ソフトの「Windows Defender」と統合されてOSに標準搭載されている。そして他にウイルス対策ソフトウェアがインストールされた場合は自動的にOS標準のウイルス対策ソフトウェアが無効に、アンインストールされた場合は自動的に有効になるという優れものである。

結論として、期限切れのウイルス対策ソフトウェアが動作している場合(大抵画面端に「更新してください」といった小窓が表示される)、

という対策を行うことでPCのセキュリティを最低限確保しつつPCの動作を軽快にできる。Windows PCの動きが遅くなってきた場合はぜひ検討してほしい。

サードパーティ製のセキュリティソフトウェアはウイルス対策以外のセキュリティ機能を実装しているものも多いので、可能であればそちらを使う方がより望ましいことは追記しておく)