新型デミオを見てきた

まもなく国内販売が開始されるマツダの新型デミオを見てきた。
既にデザインはある程度公開されているが、実物を見るとやはり格好よい。
初代、二代目とは大きく異なる方向に舵を切った今回の車体は荷室の広さを犠牲にするかわりに走りとデザインにかなり力が入ったものとなっている。
マツダで調査を行ったところ、デミオユーザは平均25%しか荷物を積んでいない事が判明したらしい。
マツダの中では「今まで何のために荷室を広くする努力をしてきたんだ」という意見もあったようだが、不景気で大きな車が避けられた時代には「小さく見えて大きく乗れる」デミオのデザインは時代にマッチしていたことは間違いない。
ただ、景気が若干なりとも回復し、コンパクトカーや軽自動車が競うように積載容量を競い合った時期を越えた現時点ではそれまでとは異なる物が求められているということだろう。
利用価値が大きく見直された荷室は容量も減り高さが高くなり(重い荷物を積む時にはこの高さがかなりの障害になる)、口も狭まっている。
さらにこれまでアレンジ可能だった後部座席も単純にシートバックを倒すだけ(一応6:4に分割されていたり、倒すためのスイッチがヘッドレストの横に設置されていたりと利便性は考慮されている)のものに変更された。
ちなみにパンフレットでもこの辺りの説明はデザインや走行性能よりあと、車内の細かな収納スペースの説明(ちなみにグローブボックスがマガジンラックになるようになっている点がちょっとおもしろい)はと一緒に小さく記載されてるのみである。
このような感じでこれまでのデミオの売りはすっかりなりを潜めてしまっている。

しかし、この利点を捨て去ることでデザインの自由度や大幅な重量削減に剛性の確保(これまでは荷室を広くして間口を広げたせいでかなり剛性の確保が難しかったらしい)と得られたものも大きい。
特に重量削減(2WDで970kg〜1020kg、e-4WDで1,070kg)と高められた剛性はマツダのZOOM-ZOOMに大きく貢献してくれるはずだ。
そして重量の低減は燃費の改善にもつながっており、新型ミラーサイクルエンジンと初採用のCVT搭載の13C-Vで23km/L。それ以外のモデルでも大体20km/L前後とマツダにしてはかなり良い数字が出ている。
この燃費の良さとデザインはメインターゲットの女性にかなりアピールできるものと期待される。
(個人的には法人向けを含めたすべてもモデルで安っぽいグレーのシートがないのが好印象。これの材質が水を弾くものになっているので手入れがし易いのもポイント。)

二週間後ぐらいには試乗もできると思うので、その時にはまたレポートする予定。
それまでは今回入手したパンフレットを見ながらワクワクしつつ待つことにしよう。